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その先生は、目が隠れるほどの前髪に後ろにゆるく結ばれた黒髪。そして眼鏡を掛けており、顔がちゃんと見えなかった。所謂、イケてない部類に入る先生だった。教室の男子生徒からは悲観した声が漏れる。誰しもが全く興味をなくしていたが、唯一翔太だけは違った。
顔はハッキリと分からないが、何故か直感的に昨日出会った、あの女性だと思った。
自分には分かる、顔が見えなくても、雰囲気があの時の美しさを纏っている。
ああ、これは『運命』なんだと翔太は感じた。
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