第五話

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自分が普通の人間と違うと感じたのは物心ついた時だった。 鬼龍橙子は、母親の胎内にいる時から母親や周りが話している声が聴こえていた。でも皆同じだと思っていた。だから友達に否定された時は、困惑した。 そして、ある日突然、自分の瞳の色が紅く変わった。両親と何気ない話をしていた時に、変化した。母親はまるで化け物を見ているような目をして叫び、父親は困惑と恐怖を帯びた目をしていた。 瞳の色が緋色へと変化した瞬間、自分の頭の中に映像が流れた。それは、両親が首を吊って死ぬ映像だった。そして理解した。これは未来の出来事なのだと。
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