第六話

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両手で先生の顔を包む。顔を近づけると、緋色の瞳が揺れる。震える先生の唇に口付けた。 「先生、愛してる…」 唇を離すと、先生の目から涙が溢れた。顔が恐怖に滲んでいた。身体も震えている。翔太はその細い身体をギュッと抱きしめる。 抱きしめた身体から、薔薇の香りがした。 ーーー先生は誰にも渡さない、ようやく手に入れた 先生の耳許で告げた。
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