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もう夕刻の為、踊り場の窓からは西日が差し込み、眩しくて顔を下にしながら登る。すると、眩しかった光が急に暗くなった。自分の前に誰かがいる気配がした。多分、先程の足音の子だろうと顔を上げた。
瞬間、時が止まったように感じた。瞬きすらせずに影の持ち主を見つめた。
女生徒だと思っていたが、大人の女性だった。それよりも、彼女の全てに圧巻された。
胸くらいまであるストレートな黒髪。細身な体格、何より顔が美人という枠を超えた、この世のものとは思えない程の美しさ。西日を背にした彼女は、まるで神や天使を彷彿とさせた。
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