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宙ぶらりん
大谷迅は、自分の通う中学校の第三資料室にいた。
この資料室は誰も使う人はおらず、物置とかした小部屋だ。
迅の目の前には先が輪っかになった、ちょうど人の頭が入りそうなロープが垂れ下がっており、迅自身も扉に背を向け椅子の上に立っている。
(首吊りってすぐ死ねるのかな)
迅は見つめていたロープを手に取った。
(遺書も書いたし、ささっと死ぬか)
迅はロープの輪っかを頭に通そうとした。
「今度は首吊り?」
また、場違いな明るい声が後ろから聞こえてきた。
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