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ロキは一瞬、ポカンと口を開けていたが次第に「アハハ」と笑いだした。
「なにそれ。俺と同じこと言ってんじゃん。」
「お前よりはかっこよく言ってるから。」
二人は笑う。無邪気に笑う。
「やっぱ俺たち親友だわ。同じ時期に自殺しようとするところとかさ。」
「ほんとそれ。」
それから二人はたくさんの話をした。
家のこと、学校のこと、好きなゲームのこと、アニメのこと、漫画のこと、自殺のこと。
たくさんの、本当にたくさんの話を終えた頃にはもう、日が昇っていた。
「うわ、もう朝。」
「じゃ飛び降りるか。」
「遺書書いてから。」
「俺もう書いてある。でも付け足すわ。」
「なに付け足すの?」
「クラスの奴らと担任に呪いをかける。あとこの遺書を公開するように。」
「それいいね。俺もババアに呪いかけとこ。」
「待って、遺書飛んでっちゃう。」
「おや?こんなところに釘とトンカチがある。」
「ご都合主義すぎん?これで床に止めろってことか。」
「俺らの自殺って伝説になりそうじゃね?」
「(都市)伝説にはなるよな。遺書を釘で止めるとかただのホラー。」
「草しか生えんわ。」
「何か言い残すことは?」
「神は死んだ。」
「なんか違くない?まあ神なんていないけど。」
「俺たちが神になろう。それで復讐しよう。」
「いいねぇ。」
二人は大穴をくぐり、屋上のふちに立つ。
お互いがお互いの手をしっかりと握りしめている。
二人の顔は今から飛び降りるとは思えないほど、楽しそうだった。
「じゃ、いっせーのでで。」
「分かった。」
顔を見合い、満面の笑みで声を揃えて言った。
「「いっせーので!」」
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