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荒唐無稽な少女
「はじめまして。君の未来、教えてあげましょっか?」
「はい?」
その意味わからん言葉を言われたのは学校の帰り道だった。
急なことだったので、素っ頓狂な声が出てしまう。
「え、えーと。あなたは?」
「私ですか?私はですねー魔法使いです。」
やべぇ、かなり痛い人だと思ってしまった。
「何言ってんだこいつみたいな顔してますね。んーそうですねー。信じてもらうには……、たとえば三十秒後、あの曲がり角から三つ編みの女子高生が出てきますよ。」
そんなこと言われても信じられるわけないと思っていたら、本当に三十秒後に出てきてしまった。
今のオレはめちゃくちゃ驚いた顔をしているだろう。
「ね、信じてもらえました?」
なんてこの自称魔法使いは言ってくる。
でも、まだ信じられない。
そんなことがあるわけない。そうだ、きっとまぐれだったんだ。
そうオレは納得していた。
だってあり得ない。
そんなこと。
「むうー。信じてくれてないみたいですね。まあわかってたことですけど。」
わかってた?その言葉に引っかかった。
本当に知ってるみたいだ。
「いっきに言ってもわかりませんよね。」
「あ、いや別に……。」
「まあいいです。また明日来ますね。バイバイ!」
「お、おい!」
オレの言葉も聞かずに行ってしまった。
嵐みたいな女だな。
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