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現実の苦痛
次の日、また二人でデートを楽しんでいた。
今日は街で食べ歩きをしていた。
「これ、ほんとにおいしいね!羽夜斗。」
「そうだね。ほんとにおいしい。」
そういいながら信号が青になるのを待っていた。
そうしていると、急に由雨紀がなんでそんなことをきくのかよく分からないことを言ってきた。
「ねえ、羽夜斗は私のこと好き?」
「え、なんで今そんなことを……。」
よくわからない不安感が襲ってきて、狼狽えてしまう。
「お願い、答えて。」
「えっ……、好きだよ。当たり前じゃん。なんでそんなこときくの?」
「好きって言ってほしかったから。」
「そっか。オレは由雨紀のこと好きだよ。世界で一番愛してる。」
「ん、私も、好きだよ。ありがとう、羽夜斗。」
そういいながら近寄ってきてオレのことを突き飛ばす。
とっさのことで、飛ばされてしまった。
その瞬間、由雨紀のいた場所に車が突っ込んできた。
何が起きたか、理解することさえ難しかった。
目の前が真っ黒な世界に変わっていく。
誰かの悲鳴も聞こえなくなっていく。
全身の力も抜けていく。
由雨紀がどうなったかを確認することもままならず、オレは気を失ってしまった。
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