7人が本棚に入れています
本棚に追加
真実の答え
特にけがはなかったので、次の日にオレは退院した。
家に帰ると、昨日から来ていた服を脱いだ。
「カサッ。」
服のポケットからそんな音が聞こえた。
覗いてみると、ひとつの封筒が入っていた。
『羽夜斗へ』
すぐに由雨紀からのだと分かった。封筒を開いて、読む。
『羽夜斗、あなたは今、とても悲しんでると思います。
何もできなかった自分を責めていると思います。
でもね、そんなことないよ。
こうなることを言わなかったのは、私のわがままです。
きっと言ってしまえば、
君はどうにかして生きる方法を見つけようとするでしょう。
見つからなかったら、残りの時間を少しでも濃く過ごそうとするでしょう。
でも、未来は変わらないし、私はいつも通りに楽しんで終わりたかったんです。
自分でもこうなるって知ったときは、未来を変えたいと思った。
でも、変わらないんです。
今まで何度も試してきたけど無理だったから。
このことは君のことを全然を考えてない行動だと思います。
だけど、私の初めてのわがままを許してくれると嬉しいな。
私に楽しいをくれてありがとう。
ずっと灰色だった私の世界に色をくれてありがとう。
私は君のことが大好きです。
私のこと、忘れないで。』
「ゆう、き……。ほん、と。わがままだなぁ。そうだね、忘れないよ、忘れない。ずっと覚えてる。だから、また、合えるといいな。さようなら、由雨紀。またね、由雨紀。」
最初のコメントを投稿しよう!