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瞞しのカリスマ
「ねえ、ほんとにこんなとこに家があるの?」
そこは誰も通らないような路地裏だった。
「ほんとほんと。ママ、変な趣味があるんだよ~。」
そう言いながら、路地裏を進む。
「ついたよ、お姉ちゃん。」
「お、大きいね。こんな家、初めて見た。」
その家は、お金持ちが住むような大きな家だった。
「おっきいでしょ?……、開いてないや。ママ、まだ帰ってないみたい。ねえ、一緒に待っててくれる?」
「うん!いいよ。」
さすがに断りそうなことでも、侑里は了解してしまった。
そんなこと、しない方がよかったのに。
それから日が沈んでも、誰も帰ってくる気配はない。
「ねえ、お姉ちゃん。もうママ帰ってこないのかなぁ。」
そう言って、怖都は侑里に抱き着く。
そのとたん、侑里は首に痛みを感じた。
「えっ──。」
そうして、侑里は眠りに落ちていった。
睡眠薬を注射で入れられたのだ。
「あはは!また成功した。やっぱりぼくって天才かも。ちょっと可愛い感じに接したら、みーんなすぐに騙されちゃうんだもん。人間ってバカだよねぇ。」
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