拘束と悲哀

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拘束と悲哀

怖都は台車を持ってきて、侑里を乗せる。 家の鍵を開けて入る。 怖都はいつものように、壁についている手錠と縄に侑里を括り付ける。 それからしばらくすると、侑里が目を覚ました。 「──うっ。」 「あ、お姉ちゃん!起きたの?」 「ひっ。な、なにこれ……。」 大きい太刀を持ってきながら、怖都は答える。 「え~、手錠と縄だよ。見てわからないの?お姉ちゃんてほんとバカだね。よしっ、今回は腕から切ろうかな!あっでも、足もいいかな。どっこにしーようっかな!」 「怖都くん、なんで、こんなこと……。」 「ん~、お姉ちゃんはぼくのお気に入りだから、教えてあげてもいいよ。ぼくはね、ぼくの気に入った人を殺して、保存して、眺めていたい。大体はすーぐ飽きちゃうんだけどねぇ。みーんなみーんなつまんない。」 「お母さん、は……?」 「ママ?ママはね、ぼくのコレクションになったよ。まあ、目くらいしか残ってないんだけどね。」 「どう、して……。」 「どうして?それはね、ママは人間じゃないと思ってたから。」
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