人形への命乞い

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人形への命乞い

「人間じゃ、ない?」 「そうそう。ぼくのこと、たっくさんいじめてきたの。そのお姉ちゃんが繋がってる、手錠と縄にぼくを括り付けて。だから、学校?ってとこにも行けなかったし。ぼくはママのお人形さんだったの。そんなときにね、ぼくのこといじめる道具で、間違えて自分のこと殺しちゃったみたい。あはは、バカだよねぇ。それでね、その時の死体を見て思ったの。死んでるのって綺麗だな、って。何も言わない、何も動かない、ほんとのお人形さんになったみたいで。」 「お人形、さん……。」 「ふふっ。でもね、最初は死んだら腐るなんてのも知らなかったから、ほとんど腐っちゃた。だから目くらいしか残ってないんだよ。まあとにかく、そこから気に入った人を保存していこうと思ったの。」 「……。」 「よし、じゃあそろそろお姉ちゃんにもコレクションになってもらおうかなぁ。どこにしよう……。うん!腕からにしよう。」 「や、やめて!わ、私のこと気に入ってるんだよね。じゃ、じゃあ殺さないでよ!まだ生きてたいよ。怖都くんは、まだ楽しいことなんてなかったんでしょ?私が学校とかにも連れてってあげるから──。」 その時、侑里の腕が、体から離れる。 血で二人が真っ赤に染まる。 「うるさいよ、お姉ちゃん。」 「あ、あ、……た、す、け──。」 「あっはははははははははは!そうだよ!その顔がいいんだよ!さいっこう!」 そう言いながら、太刀で足も斬っていく。 ハサミで耳も切っていく。 「さようなら、お姉ちゃん。」
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