常世橋

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 お盆の期間のたった一日。  その橋の上では、死んだ人と再会できるのだという。  そんなの迷信だと、嘲笑えた日々というのはとても幸せな日々だったのだ と、あの人がいなくなって気づいた。  僕は今、心から貴女に逢いたい。  だから僕は今年、その迷信のある橋へと向かった。 「意外と普通」  噂の橋について最初に出た一言はこれだった。あれこれと噂をしていたわりに、その橋に関して何も知らなかった。そして、その橋に実際に行ってみると、とてもそんな噂が立つようには見えなかった。 「こんなところで会えるのかよ」  夏の日差しが容赦なく降り注ぎ、川のせせらぎはあるものの、暑さの緩和にはなっていない。周囲は山ばかりで、長閑な田舎町。そこにある、本当に小さな橋だ。しかし、ここしかもう、彼女に逢える場所はないのだ。 「常世橋、か」 名前だけは意味深だなと、僕は苦笑してしまう。
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