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太陽
いつからだろうか。
僕は光を放つ事が苦痛になっていた。
遥か昔から全宇宙を照らし、それなりに満足していたはずだったのに。
でも最近、暗闇に身を投じたい欲望に駆られるんだ。
不眠ぎみでいつも疲れている。
グッスリ眠りたくても明るすぎて眠れない。
「太陽だから光るのが当たり前」って言われるのもつらい。
もう光りたくない。
こんなの本当の自分じゃない。
それなのにみんな俺に期待する。
「明日は晴れるかな」
「てるてる坊主しよう!」
それがプレッシャーなんだよ!
頼む。
休職させてくれ。
誰か代わってくれ。
この暑さがたまらなく嫌なんだ。
いつもいつも燃え盛るばかり。
たまには涼みたいんだよ、僕だって。
照らされるのを待つだけの奴には分からないだろうね。
どうしたらいいのか分からなくなり、僕は月にLINEしてみた。
「久しぶりだな。
僕は相変わらず燃えてる。
でも最近、太陽辞めたくなるよ」
しばらく経っても未読のままだった。
絶対、気付いてるくせに。
結局、誰も俺の事なんて考えてはいないのさ。
月、お前はいいよな。
人間が来た事あるんだろ。
俺なんか年がら年中6000度で、誰も近づいてこないよ。
孤独感が俺につきまとう。
消えたい。
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