君は君で、俺は俺で

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君は君で、俺は俺で

 君が俺のことを好きなのは随分前から気づいていた。君とは高校で知り合い、同じクラスになって友達となった。君が進学校を俺と同じ大学にすると言った時、俺の勘は確信に変わった。  この時、告白してくれたらよかったのに。  そうしたら君が望むような展開になっていたよ。俺は君がもし告白してきたら付き合うつもりでいたんだ。けど俺から告白しようとは思わなかった。君はいい子だったけれど特に好きという感情はなかったからね。それでも告白されたら付き合おうと思っていたんだ。君は高校時代、ついに俺に告白してこなかった。俺たちは友達のまま同じ大学へと進学した。  サークルの飲み会で気を良くした俺はもう一軒行きたいと駄々をこね、他のみんなは「終電に間に合わなくなるから」と帰ってしまったのに、君は案の定俺に付き合ってくれた。サークル仲間と別れた後、君と次の店を探して歩いている間、何度か通り沿いにラブホテルの看板を見かけた。大学生の男と女。イイカンジで酒が入ってる。この条件ならば勢いでラブホテルに入っても全くおかしくはないのに、俺はラブホテルの看板は無視して始発が動き出す頃まで営業している居酒屋を探した。君も俺をホテルに誘ってはこなかった。
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