君は君で、俺は俺で

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 俺は君に甘えていたのかもしれない。  今、俺は好きな人がいてその人のことで頭がいっぱいだ。君が俺を好きなことなど、酒の力もあって忘れていた。いや、大学に入ってからも変わらない君の態度に俺はもう君は俺に冷めたのかもしれないと思い始めていた。純粋に友達になったのかもしれないと。それならそれでよかった。むしろ、俺にとっては都合がいい。もし君が未だに俺を想ってくれていたとしても、もう俺は君の想いには応えられないから。  二軒目の居酒屋でも俺はよく飲んだ。君に「ちょっと飲みすぎじゃない?」と言われた矢先、気持ちが悪くなってしばらくトイレに籠城した。そうしてせっかくお金を出して飲み食いしたものを全部トイレに吐き出してしまうと「勿体ないことしたな」と思った。  男子トイレだから女の子の君は入ってこられず、俺が席に戻った時、たいそう心配そうな顔をして「大丈夫?」とすぐにウーロン茶をオーダーしてくれた。けれどその顔はすぐにいたずらな表情に変わった。  「あなたがこんなに飲むなんて珍しいね。なにかあった?」
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