あなたが私に触れた夜

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「まだ冬だぞ……正気の沙汰じゃねぇぞ、お前……」  壮介は(うな)りながら、リモコンを(つか)んで操作した。エアコンの音が大きくなり、温かい風が千都香の髪を乱す。 「すみません、ありが……え?!あ、だめっ!やだやだ、待って!!」  千都香が礼を言い終える前に、壮介がさっきまでより下に下がった──そこは、体ではない。ほとんど脚だ。 「……何言ってんだ今更」 「だって!!だって、そこ、あ!」  千都香の抗議は(なだ)められ受け流されて、力が抜けたのを見計らう様に、身に着けていた物が取り去られた。  有無を言わさず脚が開かれ、内腿に口づけが落とされて舐められる。そこにエアコンの温風が当たってひやりとするので、濡れているのがはっきり分かる。 「ねぇっ……そこはっ、ほんとに、だめぇ……!」 「……あん?んなとこ、絶対漆が付いてねぇもんで触らねぇと困んだろ」 「っひゃあん!!」  ふっと息を吹きかけられて、腰がぞくぞくと痺れる。   「……んなとこに手で触ったりして、もしかぶれたらどうすんだ……」  そう言われて、壮介の意図が分かった。意図は分かったが、了承出来るかどうかは別だ。 「だからって、だからってっ……あ、やだってばっ!」 「う゛」  千都香は思わず目と脚を閉じた。運悪く……というか、当然そこには壮介が居たので、柔らかい太腿とすんなりした膝で、壮介の頭は締め付けられた。 「お前は、人の頭を全力で挟むな!」 「だっ、てぇ……」  また脚を強引に開かれて、千都香はべそべそと半泣きになった。  自分で布団をどけさせたのだし、今日限りの恥ずかしさだとは言っても、限度というものは有る。  そんなところを見て舐められるというのは、全く想定外だった。 「良いか?いくら何でも、全然何もしねぇってのは、本気でお前が辛いだろうが!……少しは、濡らさねぇと」 「へいき、ですっ……」 「あん?」 「も、濡れてるからぁっ……さっきから、ずっとっ……今も、いっぱいっ……ひゃん!?」 「……お前は……」 「……やんっ、だからぁあ、だめってっ、ぁんっ……!」  柔らかな内腿を舌が舐め、唇がちゅっと触れて吸い上げ、その先の尖った部分を舌先らしきものが突ついて(かす)めて、千都香の体中を戦慄(わなな)かせた。 「っは!ぁああんゃああ!……んぁ……んっ、うぅんっ」 「安心しろ、お前は全く変じゃねえ。単に、そそるだけだ」 「ばかぁっ、ばかばかっ!!……あ、んっ!……ひぅ、」  千都香は満たされるのを通り越して、溢れ返らされて翻弄(ほんろう)された。恥も何も吹き飛んで、どうでも良い様な気になりかけて、遠くにいってしまいそうになっては、何度か自分を引き戻した。 「……っも……やだぁ……」  喘ぎすぎて息も絶え絶えになり、気持ち良い事をされすぎて、体にも力が入らない。  千都香はぐったりと横たわりながら、呟いた。
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