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「お前……毅と、寝たんじゃ無いのか……?」
「え」
頭の中が、真っ白になった。
快感ではなく、衝撃で。
驚きのあまり伏せかけていた目をぱちりと開くと、壮介の眉間には相変わらずきつく皺が寄っている。しかし、口許は薄く開かれて頬に朱が差し、額にはうっすらと汗が滲んで、前髪が風呂上がりの様に湿っていた。
「……キツすぎんだろ……奴と最近ヤッたにしちゃあ、ずいぶ……うわっ!?」
「ばかぁあああああっ!!」
怒りは、衝撃より少し遅れてやって来た。ついでに、呆れと悔しさも連れて来た。
千都香は手近に有った何かのリモコンを、壮介に向かって投げた。腹の立つ事に壮介には当たらずに、壁に当たって派手な音を立てた。
「待て、落ち着け、抜けr」
「馬鹿ぁ、先生の馬鹿っ!」
壮介が何か言い掛けたのを、無視する。涙が出そうだ。さっきまでのふわふわした幸せを、返して欲しい。
「ばかばかばか、最低っ!!毅さんとは、何もしてないっ!!」
「でも、お前、あいつんちに泊まったんひゃ!?」
まだ言うか、とぶち切れそうになった千都香は、手を伸ばして壮介の頬っぺたを思い切り摘まんで限界まで引っ張った。
「毅さんが酔っ払ったから、お世話するために、泊まったんですうぅっ!!毅さんとこんなことっ、出来る訳っ……あぁあんっ?!」
「そ、か……」
壮介が急に動いて、千都香の手は頬から離れた。思い切り抓られた筈の壮介は、頬を擦りながらにやにやしている。
「あ、や、いきなり、おく、」
「悪かった」
壮介が何故か嬉しげに、腰を使いながら千都香の胸をせっせと両手で弄り始めた。
「あん、やぁああ、両方、やっ」
「っ……お前、少し緩めろ」
「むり、っ……」
そんな事を言われても、どうしようもない。体が勝手に反応しているのだ。
千都香自身はあちこち同時に刺激され、その刺激が強すぎて、全くついて行けていない。
「だってっ、かってに、きゅんてなるっ……あ!やだっ、せんせ、おっきくなっちゃだめぇ、っ!」
「お前が無理な以上に無理だ」
壮介が、歯を食いしばりながら呻いた。
千都香がキツいと言うのなら、壮介が少し控えたら良い。そう思ったのだが、そうはいかない様だった。
呼吸の仕方が分からなくなり目の前がチカチカし始めたところで、壮介にひょいと片脚を持ち上げられた。それで楽になるのかと、思ったのだが。
「え……ゃぁああ?!あっ、あ、なにっ、なに?!」
「ん……」
半分浮いた千都香の腰が、勝手にがくがく揺れ始めた。さっきまでと、明らかに違う。壮介を受け入れている場所だけが、別の生き物になったかの様だ。
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