あなたが私に触れた夜

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「あ……なんかっ……」 「分かるか?」 「ん……っん……あ……」    最初のキツさが和らいで、圧迫感は有るものの、滑りが良くなって来ている。穏やかな交わりに、甘えた様な声が出始めた──と思ったら。  くちゅくちゅ、とか、ぐちゅぐちゅ、とか。  千都香の耳に、なにやら卑猥な、粘り気の有る濡れた音が聞こえ始めた。 「ぁっ?!やだっ、おとっ、」 「音?……これか」  壮介が、腰を回す様に動かした。圧迫感のある快感が背中を駆け抜けると同時に、ぬちぬちと粘り気の有る水音が聞こえて来る。 「やぁん!!それやだぁ、」 「……注文の多い女だな」  千都香が首を振ると、壮介はわざと音の立つ様な事をした。 「ぁあん!あっ、いっ、」 「ほら、イイ音なんだから、気にすんな」 「あ、やだっ……だって、やらしいっ、やらしいのっ……や!!あ、ゃぁあ、せんせぇ」  壮介が体を曲げて、耳を噛む。 「千都香。気持ち良く無いのか?」 「……いいっ……いい、けど、はずかし、っ……」 「お前はもう気持ち良い事だけ考えてろ」 「あ……ぁ、うん……」  千都香は、言われた通りにしてみた。気持ち良いことだけ、考える。 「せんせ……それっ……そこ、きもちいっ……」 「壮介。」 「え?ぁんっ、んっ」 「先生じゃ無くて、壮介」 「そ……っ……あ、」 「ほら、言ってみろ」 「そ……すけ、さんっ……」 「ああ」 「あ……そぉすけさぁあん、」 「ん、」 「やぁっ……またいっちゃう、いっちゃうの、あ、」 「イッときゃ良いだろ、好きなだけ」 「でもっ、あ!あ、んっ、ん!……ん、んー、んっ、ん、ん!」  びくびくと動く自分に(あらが)うために、千都香は自分の手を指を噛んで声を抑えた。動物の様な半泣きの声が出そうになる。口を閉じるためにぎゅっと力を入れると、中に居る壮介を締め付ける力も強くなる様な気がした。
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