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「……お前っ……わざと……じゃねぇよな……」
「あ!あ、だめ、うごいちゃっ、まだびくびくってっ…………ぁ、だめ、だめだめぇっ!!……ゃああ、とまんない、あ、」
達して痙攣する様に震える自分を刺激しないで欲しいのに、壮介にはそれが伝わらない。動かれて、自分を襲う快感の波が止まらない。ぎゅっと抱き付くと、壮介が苦しげに唸った。
「千都っ……ダメだ、そろそろ離せ、」
千都香のどろどろの頭はその言葉に反応した。
この男は、今更自分から離れようと言うのか。
だめだ。許さない。
「やだぁ!いて、そこにいて!」
「はぁあ?!お前、中に、」
「いいからっ、いて……そこで、そのまま、」
「おいっ……んっとに離せこのバカっ……こら、千都香っ!?」
「んーんっ!ん、ん!」
千都香は頭を振って壮介にしがみついた。
離れない、絶対に。
しがみついたままで、中で何かが爆ぜたのが分かった。びくびくと脈打つものに、きゅうきゅうと応える自分の体。
なんて幸せなんだろう、と千都香の頭は甘く蕩けた。
一度きりの夜であってもこんな風に満たされるのなら、どうでもいい何千回よりも、ずっと幸せだ。
「……っの……」
「は……ぁ、ん……」
壮介が崩れる。重くない様にしてくれているが、重くたって構わない。しがみ付いていた脚は、力が入らなくなってぱたりと落ちた。腕で、壮介を抱き締め直す。
「この……強情女っ……」
「……えへへー……」
唇、頬、首筋、耳朶、鼻先と、あちこちにキスされたあと、額にキスが落ちてこつんと額を付けられる。壮介の息が荒い。汗で湿った感触も、怒っている様な声も、体の重さも、心地良い。
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