3312人が本棚に入れています
本棚に追加
/448ページ
若、もう観念して下さい。
夜、お付きの熊と歩いていると
熊が
「ああ、こんな所から出入りするんですね」
と、突然つぶやいた。
その出入りするという所を見ると
男が2人出てきたところだった
「ここに何かあるのか?」
もったいぶらすような言い方に少しイラッとして返すと
「失礼しました。いえ別に大切な事ではないので」
と、訳のわからない事を
さらにイラッとした時、扉からまた1人
「あっ」思わず出した声に彼女がこちらを見た。
「若さん!」と手を上げてから
アッという顔をした。…名前じゃないからな。
「高人だ、武並高人」
今更ながら名前を名乗っていないことに気付いた。
「たかとさん…あ、市川志乃です」
「志乃か。いい名前だ。」
「えへ。」
なんだその可愛らしい仕草は。
最初のコメントを投稿しよう!