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長い睫毛に縁取られた瞳が、真っ直ぐこちらを見る。
陽弥は二、三度瞬きをした。
目尻を下げてふにゃりと笑う。友達になりたいなんて、初めて言われた。だいたいの人は、「友達になろう」なんて交わさずに、自然となる。それを素直に直接伝えるレニーの律儀さに、彼に対する緊張が溶けて消える。外見の雰囲気とのギャップに、少し可愛らしいとさえ思ってしまった。
「嬉しいです。僕でよければ、ぜひ」
「よかった」
陽弥は息を呑んだ。目の前の無表情だった顔が、柔らかな笑みを浮かべたからだ。
男前な顔が、色気たっぷりの笑みを見せていた。目が奪われる。一瞬で全身が熱くなった。
「じゃあ、これからはもっと気楽に話してくれ」
「え、あっ、うん」
「これ、俺の連絡先だ。ハルヤからの連絡を待っている」
「わかった」
すっと手が差し出された。陽弥はぼんやりしたまま、先日のように手を握る。
「よろしくな」
熱い手のひらにぎゅっと握られた。彼の手の熱が、腕をのぼって胸を締め付ける。
つい、口からぽろっと言葉が零れた。
「レニーはとてもかっこいいね」
今度はレニーが目を瞬かせた。照れたように髪を触る。
「ハルヤにそう言われると、嬉しいな」
言われ慣れていると思っていたので、意外な反応に胸に甘い衝撃が走った。
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