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「レニーっ、行かないで」
「……っ」
潤んだ瞳で男前な顔を見上げる。彼は何かに耐えるように眉を寄せた。
「だが……」
レニーが向き合うように身体を動かした。抱きついている陽弥の硬くなった箇所が、ちょうど彼の身体と擦れて、熱い吐息が零れる。
「あっ」
「す、すまない」
服越しでも強い刺激に、もっと欲しい、という思いでいっぱいになる。
待ち望んでいた快感が、陽弥の理性を吹き飛ばした。
離れようとするレニーを強く引っ張って、ベッドへ誘う。
「っ……」
不意打ちだったからか、簡単に彼はベッドに倒れ込んだ。戸惑いながら上半身を起こす。陽弥はその身体にまたがって、彼の足に硬くなった熱を押し付けた。
「んっ」
びりっと電流が腰から頭を駆け抜ける。
たまらずに両手をレニーの首に回して、彼の足に擦り付けはじめた。
「レニーっ、ごめん……っ、はあっ、ごめんっ」
こんなことダメだ。そう思うのに、火照った身体は刺激を求めて止めることができない。
罪悪感に胸を苦しくさせながら、身体を動かす。
「あっ……ごめんっ……んっ、嫌いにならないで……っ」
ごめん。嫌いにならないで。涙を流して謝る。
レニーに嫌われたくない。でも、自分の意思ではもうどうすることもできなかった。
「ハルヤっ」
切ない声が名前を呼んだ。レニーの手が乱暴に陽弥のベルトを外し、ズボンの前を開ける。
すぐに熱い手が下着をおろしてそこに触れた。
「ああっ!」
直接的な刺激に、腰が跳ねる。頬を伝う涙を熱い舌が舐めとった。
気がつけば彼の呼吸も速くなっていた。
手のひらが熱を包んで、しごきはじめる。
「ハルヤ……っ」
「あっ、んっんっ……レニーっ」
手の動きは最初から速かった。敏感になっている身体がびくびく跳ねる。自分でも初めて聞くような、甘ったるい声が勝手に出てしまう。
「あっああっ……んっ」
広い室内に、陽弥の嬌声と、レニーの荒い呼吸、手の動く音が広がっている。
絶頂の影はすぐに見えた。激しくしごかれて、頭の中がちかちかとする。
限界が近づいた陽弥は、レニーにしがみついた。
「――っ!」
頭が真っ白になる。昂った熱が弾けて、レニーの服を汚した。
「はあっ、はあっ」
身体から力が抜けてレニーに寄りかかる。
一度だけでは熱は収まらなかった。
自分のしてしまったことと、未だ苦しい身体に、ぽろぽろと雫が頬を滑る。
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