リトルプリンス桃くん

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リトルプリンス桃くん

真司郎が桃を家族に迎えて5カ月になった。 桃は、やんちゃ盛りで先住犬である 桜と梅にかわいがられていた。 ある日、真司郎が妻の愛美(まなみ)と一緒に 武志の家を訪ねてきた。 この時、愛犬の桜と梅 そして桃を連れてきていた。 「武志さん、寛子さん、こんにちは」 「真司郎じゃないか。どうしたんだ?」 「実は、みんなを床屋に連れて行った 帰り道なんですよ」 「桃は、初めてのカットなんですよ」 「愛美(まなみ)さん、お元気そうでよかったわ」 「寛子さんの小説読んでますよ。 お仕事、頑張ってくださいね」 実は、真司郎と愛美(まなみ)だが 二人の結婚式の仲人を 武志と寛子が引き受けたのだ。 武志と寛子にとって仲人は、 初めての試みであった。 「もうすぐ、半年になるな」 「はいっ、武志さんたちに 仲人をお願いしてよかったです」 武志たちが茶の間で歓談している時に マロンとミルクが桜と梅 そして桃と歓談していた。 『マロンくん、ミルクちゃん、こんにちは』 『こんにちはでち』 『桜ちゃん、梅ちゃん、こんにちは。 桃くん、こんにちは』 『桃くん、おしゃべり上手ね』 『ありがとでち』 桜と梅は、マロンとミルクが大好き。 マロンとミルクも桜と梅が大好き。 お互いにWINWINの関係である。 そんななかで、桃も仲良しになっていた。 そして、真司郎と愛美(まなみ)は手みやげに 揚げたての唐揚げを持ってきていた。 鶏の白石で売られている唐揚げは、 いつも行列ができる。 「唐揚げは、たくさん買ってきましたから マロンくんとミルクちゃんにどうぞ」 「ありがとう、唐揚げは大好物なのよ。 マロン、ミルク、ごちそうよ」 寛子は、揚げたての唐揚げを マロンとミルクにお裾分けしていた。 そして、桜と梅、桃にもお裾分けした。 『ワーイ、唐揚げ大好き!』 『あたしたちの大好物なのよ』 『食べよ、食べよ』 『ごちそうでち』 揚げたての唐揚げを頬張る犬たちを見て 武志たちは、ほのぼのしていた。 寛子は愛美(まなみ)と一緒にコーヒーを入れていた。 今、流行っているダルゴナコーヒーである。 できあがったダルゴナコーヒーを 寛子と愛美(まなみ)は客間に持ってきた。 「最近、我が家はダルゴナコーヒーに ハマっているんだよ」 ダルゴナコーヒーは、 コーヒーをホイップしたものを 牛乳にのせる飲み物である。 そして、残った牛乳を マロンたちにお裾分けしていた。 牛乳は、マロンたちの大好物である。 『ぼく、牛乳大好きでち』 『桃くんは、牛乳大好きなんだね』 『あぃ、牛乳飲んで大きくなるでち』 『桃は、ご飯をたくさん食べるのよね』 『あぃ、たくさん食べるでち』 『桃は、チーズも大好きなのよ』 『チーズは、ぼくらも大好きだよ』 『チーズも鶏肉も大好きでち』 『桃くん、いっぱい食べてえらいね』 『エヘヘでち』 5匹が楽しく談笑しているのを見て ほっこりとなっている武志たちであった。 「桃くん、かわいくなったわね」 「ありがとうございます。 桃が来てから桜と梅もお姉ちゃんしてます。 それに、桃も桜と梅に負けずに ご飯を食べるのが旺盛なんですよ」 「桃くん、リトルプリンスね」 「寛子さん、褒めすぎですよ。 ぼくらから見たら小さな破壊小僧ですよ」 「桃はいたずらっ子なんですよ」 「男の子は、やんちゃなのがちょうどいい。 うちのマロンもやんちゃ坊主だからな」 武志は、マロンとミルクを家族に迎えてから 妻の寛子と一緒に第二の子育てをしている。 そして、真司郎と愛美(まなみ)に桜と梅と桃がいる。 そして近い将来、この二人に 新たな家族ができることを 寛子と一緒に見守っていこうと 武志はそう思っていた。
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