キラキラ

1/6
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 この世界には、星空が二つ存在する。  たくさんの神話を生んだ、一つ一つの惑星の輝きの集合。まるで星座のニュータウン。水と空気と多くの生き物に溢れた、青く美しい星もその仲間なのだということを、初めて知った時は、とても不思議に思えた。  数え切れない星々がひしめき合う、その対になる場所に、もう一つの星空があることを、僕たちは知っている。 「どれにしようかな」  友達は、指を下に向けて、一つずつ数えるようなしぐさをした。 「どれも、とてもきれいだね」  眼下に広がる星たちを、僕はうっとりと眺める。暗い闇の中に、青や赤、黄色、白、オレンジ色。いくつもの光が漂い、揺れている。  見上げれば、下に広がる光景と同じように、色とりどりの光を放つ星たちが、澄んだ宇宙に散らばっていた。  ここは、星空と星空にサンドイッチされた、雲の上。白い雲は、フワフワというより、シルクのようにスルスルとした感触に近い。そして、触れると少しだけひんやりとする。  僕たちは、絨毯の上にするように雲の上に寝転がり、波間で遊ぶ夜光クラゲのような光の粒たちを、頬杖ついて眺めていた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!