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だが、私が博士から与えられたのは、あくまでもハビタブルゾーンの探索である。
即ち、太陽系外惑星プロキシマ・ケンタウリβで地球の生命体が生存可能かを調査することである。
ミッション以外の活動を実行に移すには、権限設定のアンロックが必要となる。
だが、私にはその権限が付与されていないのである。
地球や博士の現状については心配が残るが、私の航行は順調である。
文殊の演算では、あと5日でオールトの雲を離脱する。
私が地球を飛び立って6,585日目。
推進システムに改良に改良を加えて光速の73%までの速度を得るに至ったのである。
この偉業を博士と共にリアルタイムで分かち合えないことが、誠に遺憾である。
地球で学んだ特殊相対性理論によると、光速よりも速く移動する物は存在しない。
まずは私は光速を目指すことにしたのである。
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