10000スター御礼☆小噺

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「あっ……や、だっ」 散々イかされてもう出ないはず、なのに。 レンの手が直に触れている、それだけで身体に再び熱が灯る。その上、レンは不意に身体を反転させて、悠介の身体をソファに押し付ける後背位になると、ゆるゆるとしか動かさなかった腰をグッと奥まで突き入れるようにした。 「もー、イジワルしねぇから、な?俺と一緒にイこ?」 自分も少し乱れた熱い息を吐きながら、レンが囁く。 「いっぱいイったからかな、悠介んナカ、スゲェうねってる……あー、ヤバい」 もってかれそ……こんなの、すぐイっちゃうって、マジで。 「あっ、あ、あ……」 悠介は背筋を仰け反らせた。レンのその通常サイズのコンドームには入りきらない長さも太さも規格外のソレで、深いところを抉るように突かれて、初めの頃は違和感と苦しさしか感じなかったはずなのに、いつの間にか頭が真っ白になるほどの快感を覚えるようになっている。 「やだ、レン……も、ムリ……だか、らぁ」 深く鋭いストロークに、ブルブルと痙攣しているように身体を震わせながら、悠介は啜り泣いた。 「うん、ココはもームリそ。いっぱい出したモンな」 手のひらで弄んでいた悠介の性器がもう緩くしか勃ち上がらないことを見てとって、レンはそう囁くと、悠介の耳朶に軽く齧りつく。 「じゃあさ、ナカでイこっか?キモチいーらしいよ、射精()すより、ずっと」 囁きながら、手のひらを滑らせて、今日はまだ少しも弄っていなかった胸元に指先を乗せた。 「ン……あっ、あっ……」 全然弄られていなかったのに、そこはプクリと勃ち上がって硬くなっている。その突起をユルユルと撫でられて、悠介はビクビク跳ねた。 「ココ弄りながら、奥突いたら、悠介、ナカでイけそーじゃね?」 「やっ……レン、それ、ムリぃ……」 イヤイヤと首を振る悠介に、レンは優しげに囁いた。 「ダイジョブ、キモチよくなるだけ、俺も悠介と一緒にキモチくなるから」 それから後のことは、悠介ははっきりと憶えていない。 与えられる快感が強すぎて、ついには意識を飛ばしてしまうまで、ひたすらにレンの名前を呼んで喘ぐしかできずにいたような。 キモチよすぎてコワイ、と泣いたら、レンが熱い吐息を漏らしながら、俺もサイコーにキモチイイ、コワイのにゼンブ委ねてくれて、ありがと悠介、と囁いてくれたから。 快楽の海に溺れそうになっているのが一人じゃないなら、レンが一緒なら、とどこか安堵したのだけは、憶えていて。 ふ、と目が覚めたら、真夜中だった。冴え冴えとした月明かりが、壁一面がガラス張りという解放感溢れる窓から射し込んでいる。 悠介は、夕方まで寝ていたレンのベッドの上にまた戻っていた。 ご飯の前、シャワーを浴びたときに着替えたはずの部屋着は、ブカブカのレンのスウェットの上一枚に変わっていた。例によって、意識を飛ばした悠介を、洗ってキレイにしてから寝かせてくれたのだろう。あまりにも痕跡が残っていないから、一瞬、レンとしたコンドームプレイ…?は全部夢で、悠介は朝からここで眠りっぱなしだったのでは、なんて気分になった。 いや、腰は気怠いし、たぶんコンドームをして擦られ過ぎたせいだろう、繊細なところがなんとなくヒリヒリする気がするし、脚を開かされていた時間が長かったからか、股関節が筋肉痛のような鈍い痛みを訴えているから、あれは夢なんかじゃなかったのだろう。 「……悠介、目ぇ覚めた?カラダ、痛いトコとかねえ?」 声をかけられて悠介は目線を上げる。相変わらず、悠介が抱き枕であるかのようにしっかりと腕を巻き付けているその声の主は、どうやら起きていたらしい。悠介は小さくため息を吐いて、上目遣いにそいつを軽く睨んだ。 「痛いトコだらけだっての」 お前と違って、こっちはもうオッサンになりかかってんだから、ホントもう少し加減しろよな。 小さく文句を言うと、レンは少し悪びれた顔をする。 「がっつき過ぎた、ワリぃ」 そうボソボソと謝りつつも、でもさぁ、と続けた。 「今週、悠介忙しくて全然触らしてくんなかったし、スッゲェ我慢してたっつーか?」 無茶苦茶溜まってたっつーか、悠介不足過ぎて死にそーだったっつーか? 「だから、暴走しそーだし、一応セーブしなきゃマジぃとは思ってたんだケド、あんた可愛過ぎんだっつの、あれ反則ダロ」 ゴムつけるたんびに一々可愛く腰揺らしちゃってさー、背中ビクビクしたりさー、ゴムん中のローションがヌルヌルするって半べそかいたり、つーかいつも自分の先走りでヌルヌルのクセにイマサラかよってツッコミたくなるし、もーヤバかったから。弄り倒したくもなるっつの。 言い訳というには、随分勝手な、ほとんど言いがかりと言ってもいいような台詞だけれども。 大好物をお腹いっぱい食べた後の子どもみたいな、どこか無邪気ささえ漂わせる幸せいっぱい!という満足感溢れる顔を見てしまうと、どうにも。 悠介は、ため息を零しつつも、結局は赦してしまうのだ。 他はなんでも大人より上手くこなすくせに、こういうときだけ子どもっぽい顔見せるとかホント狡いよな、と思いつつ。 それがそいつの計算しつくした策略かもしれない、とは疑ってもみない悠介だから。 完 2020.06.06 10000スター☆ありがとうございました。
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