屋上のドラマ

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「ダメね」 「ああ、全然ハートに来ない……君は本気でやる気があるのか?」 「お前ら何様だよ!」 そこで監督の宗介はエヘンと咳払いをして息を吸い、手で顔を覆った。 「宗介君、任せた」 「ぐわああ?目が目が!うあああ!……はあ、熱い?太陽に焼かれたようだ……」 そう言ってよろけて膝をついて見せた俳優、宗介を見て、夏海は航太に向かった。 「これだよ、航太」 「できねえよ!」 「はあ、はあ……できる、君なら」 そんな宗介に航太は真顔を見せた。 「なあ、なんでお前がやんないんだよ?別に俺達3人で作ればいい話なのに」 すると宗介は首を横に振った。 「僕は制作側の人間です、それに君は花があるから」 「花?」 「ああ。原石だよ」 「良かったね、航太」 「もういいから!やろうぜ」 こうしてラストシーンの撮影になった。 「……はい、いきますよ……3、2、1。スタート!」 「これ以上は、やめ……キャハハ!」 突然笑い出した夏海のせいでNGになったが、どうして笑っているのか、二人の男子にはわからなかった。 「ごめんね!あはは?宗介君の顔が、顔が」 「そんなにおかしいですか?」 「ハハハハ、あのね、デジカメを持っている時にね」 必死にやっている彼は、鬼の形相になると夏海は言った。 「な、なんでそんな顔するの?」 「いや。無意識ですね。これは失礼」 こうして再スタートをした。 「これ以上は、辞めなさい!永遠の命は、?ギャハハ!」 「カットです。そんなにおかしいですか」 すると航太はサングラスとマスクをしろと言った。 「顔見せんなよ」 「ごめんね宗介君」 「いや。おかなしな顔をしている僕がいけないんですよ。さあ。これでいきましょう」
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