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「おーい」
男が私をよんだ。
「なんだぁ?」
私は返事をした。
「あっ」
男は戸惑っているようだった。
「おーっ 久しぶり!」
私の後ろから声が聞こえた。
「おー偶然だなあ」
男の目線は、私からそれて後ろに行った。
「お前こそ、どうした?」
私の後ろから、そう言いながら違う男が現れた。
「なんだ?」
私はもう一回同じことを言って、軽く手を挙げ、誰もいない前方の路地に用もないのに隠れた。
二人の男は楽しそうに談笑している。
(二人は、私の演技のうわさ話で笑ってないし、本当に私は誰かに話しかけたと思っている)
と、私は必死で自分に言い聞かせた。
そのときの私は妙に顔が熱かったのを覚えている。
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