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それでも真司のそばにいたい。不安な想いに蓋をして、プロポーズを受け入れた。
真司を連れて自宅へ。母は驚いていたけれど、結婚する事を祝福してくれる。
「いつでも帰って来なさい。二人で」
この街を出て行く。迷っていた私の背中を優しく押してくれる。
母からの結婚の承諾を得て、真司はまたすぐに仕事があるからと帰って行く。
支度が出来次第、真司のところへ。それから入籍をして、できれば合わせて挙式をしたい。それが真司の希望だった。
―――――
「えぇ、明日。幻影水鏡橋で」
『やっと美里を迎えに行ける』
真司との約束。明日、大好きな人のところへ。この街もしばらくは見納め。
緑豊かな道をゆっくりと歩いて廻る。山も湖も無い知らない街で、明日からは真司と暮らして行く。
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