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 これからは二人きりで生きていくんだよ、修一郎(しゅういちろう)。と、姉は言った。真新しい制服のにおいと、とくんとくんと打つ心臓の音とに包まれながら、修一郎は頷いた。見上げると青空が広がっている。昇っていく煙が雲になればいいと思った。そうすればきっと、頬を伝うものは雨滴であると思えたのに。  それは竜胆(りんどう)の花が咲く、十年前の秋だった。
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