心の奥に潜むもの

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放課後になり、友人と一緒に帰っていた。 「じゃあなつかさ!」 「じゃあな、また明日」 今日は早く学校が終わったし、本屋でも寄って帰るか。 「痛い、痛い、やめて…」 本屋に向かっていると 微かに悲鳴らしき声が聞こえてくる。 悲鳴の聞こえた方へと歩き、路地裏に入ると、そこには血だらで倒れている女性と 血に染まった鈍器をもった男性がいた。 その光景を目にした瞬間俺はパニックに陥った。正確な思考ができていない。 その時、男がこちらを見て目が合った。 こちらに向かってくる。 ヤバいと直感で判断した。 俺は気がつくと来た道を引き返し 走っていた。 この場から早く移動しなければ。 男は追いかけてくる。 不敵な笑みを浮かべて。 路地裏を抜けて 人通りのある道にでた。 だが、男は人目など気にぜず追いかけてくる。 「おい、あいつヤバいぞ」 「なんだあれ、血、血か?」 「早く警察呼ばないと」 人々はパニックに陥った。 それでも男は気にせず追いかけてくる。 「おいおいマジかよ 勘弁してくれよ」 人通りのある道にでたら人目を気にして 追いかけるのを諦めると思っていたのに 男は自分の予想していたより危険な人物であるようだ。 「完全に狂ってやがる」 あいつ自分が捕まることを何一つ気にしてない。ただ俺だけを追いかけてきやがる。 俺は男をまくため路地裏へと入った。
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