心の奥に潜むもの

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この路地裏は入り組んでいる。 だからこの路地裏に逃げ込めば男をまけるはずだと考えた。 男は俺を追いかけて路地裏に入ってきた。 ここからは曲がり角を利用して男をまく。 土地勘は俺の方が上のはずだ。 あとはスピード勝負だ。 男の視界から消えるように 曲がったら全速力で次の曲がり角に向かう 右、次は左、また左、そして次は....... さすがにここまでくれば大丈夫だろう 男は追ってきていない これ以上は限界だ なんなんだあの男は 目が合うなり追いかけてきて 人目も気にせずなんて正常じゃない はやくここから逃げよう 追ってきてはいないがもっと遠くにいかないと さっきの光景をみてしまった 男は俺を逃がしはしないだろう はやく逃げないと............ その瞬間何かの音が聞こえてくる。 全身が震えた。嫌な予感がする。 その音が迫ってくる、誰かが.......誰かが.......歩いてくる! 嘘だろ追いつかれた?? 有り得ない。有り得るはずがない。 男が見えなくなってからも走り続けたのに… 今はそんなこと考えてる暇はない できるだけ前へ、前へ進め! 俺最後の力を振り絞った。 足がもつれそうになりながらもがむしゃらに前へ前へ! その瞬間背後に寒気が、 「··········!」 頭に鋭い痛みが走った 頭から血が流れてきた、 何かで殴られた? やばい意識がもうろうと....... その時こんな言葉が聞こえてきた 「君じゃ逃げられない」 「音をたどれば必ず辿り着く」 振り向くと鈍器を振り上げた男が····· その瞬間意識が無くなった。
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