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「つかさ起きなさい」
母親の声が聞こえてくる
母親の声で目が覚めた。
「あと五分‥」
もう少し布団にくるまっていたいと思っていたが、
母親の声が何度も聞こえてきたので、仕方なく階段を降りてリビングへ向かった。
リビングにつくと朝食が並べられていた。
いつも通り、ハム、卵がのったトーストを口にほおばり
椅子に腰掛け、ついていたテレビに目を向ける。
「先日、10代の少年がicに感染したことが確認されました」
「最近、また増えてきてるみたいね
落ち着いてきたと思ってたのに」
「先月の感染者は少なかったのにね」
icは10年前に発見された病である。
通称ic
二重人格のようにもう1つの人格が生まれる病。
人格を2つ有することとなる。
二重人格との違いは多々ある。
1つは生まれた人格はそれまでの記憶を持っている点。
もう1つは新たな人格が生まれたことにより元の人格が現れることがなくなるケースがあるという点だ。つまり人格が全く新しいものになるということだ。実際に最初に発症した少年がこのケースであった。
少年の場合、日に日に元の人格が現れる日が減っていき、
発症してから半年がたった頃には元の人格が表に出てくることは完全になくなった。
だが反対のケースも起こりうる。
3番目に発症した男性がそのケースだ。
男性は発症した当初,新たな人格が現れることが多かったが、
日に日に減っていき、新たな人格が現れることはなくなった。
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