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自宅に戻ってきた詩織は、着た服のままベッドに仰向けになり、ただただ紙ナプキンに書かれているIDを眺める
(これはちゃんと連絡した方が良いのだろうか……でも、私からしても迷惑なだけ)
紙ナプキンを手にしたまま深いため息を漏らした詩織は、捨てるに捨てられずうつ伏せになり、枕に顔を埋める
(……連絡しないのも失礼になるかもしれないし)
どうしたら良いのか悩む詩織は、枕に顔を埋めたまま小さく唸り声を溢す
「……連絡ぐらいはしないといけない、よね」
そう決心した詩織は、自分の通話アプリにそのIDを登録して、新たに登録された名前にメッセージを送った。
──今日は、本当にありがとうございました。
──それからも頑張って下さい。 相沢 詩織
(これでもう本当に終わりにしよう)
返事なんか来るはずないと思いながら、枕元にスマホを置くとゆっくり起き上がり、このままじゃいけない、着替えないと……と部屋着を手に脱衣場に向かった。
しばらくして、通話アプリに返事が来た事を知らせるアラームが鳴るのはそれから数分後のこと
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