2 小さな喜びがこんなにも嬉しいなんて

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──メッセージわざわざありがとうございます ──まさかメッセージ貰えるとは思ってもいませんでした ──これからもよろしくお願いします 副島 淳史  翌朝、目を覚ましてメッセージアプリからの着信を開くとあの雲の上の存在のような人からメロディが届いていた。しかも可愛らしいスタンプ付きで  届いているのを見かけた瞬間、正直嘘だと思った。当たり前だ、こうして返事が返ってくるとは予想もしていなかったのだから 「……なんで返ってきちゃうかな……」  私からしたらもうこれ以上は関わってはいけないと思っている人物で本当は一度メッセージを送ったらIDは消すつもりでいた。  しかし昨日は色々考えすぎ、そのあとは意識を失うように眠ってしまった。  目覚めたらもうすぐお昼を迎えようとしていた。今日も珍しく連休で休みだったから助かったと目覚めたばかりの重い頭を抱えながら思う  しかも間違えて既読をしてしまい、既読スルーするわけにもいかず、でも何て返したら良いのかさっぱりで一文字も打てずにメッセージアプリの画面のまま眺めていた。  しばらくして意を決した詩織は、スタンプもつけずに一言だけ返すことにした。 ──これからもお仕事頑張って下さい。それではこれで失礼致します。 「……これでもう終わり」  少しでも誰かと話しが出来た事を誉めたい。自分にそう言い聞かせて、スマホを裏返して枕元にある棚に置くと深いため息を漏らした。 (なんでこんな緊張しているのだろうか私は……)  このまま寝ていても仕方ないと渋々起き上がった詩織は、重い身体に鞭を打って寝室を出た。
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