水揚げ

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「葵。指増やしていくから、辛かったら教えて」 「うん……」  葵の昂りも手で扱いてやりながらゆっくりと後孔に指を挿れていき、抜き挿ししながら徐々に指の本数を増やしていく。  葵は枕に顔を埋めて、くぐもった声を漏らしている。指だけでも辛そうなことが見てとれる。潤滑剤でもあればな、と思いハッとした。  あの男のことだ。そう思い、おれは枕元の周辺に目を向けた。そして、コンドームらしきものとローションらしきものが入れられた箱を見つけた。  流石、用意周到な男だな。それから、此処が成田の連れ込み部屋であることは確信に変わった。  おれは後孔から指を抜くと、枕元に手を伸ばし携帯用の小袋に入ったローションを手に取った。 「―――葵、ローション使うね」 「うん……?」  袋を破きローションを手に垂らすと、葵の蕾を濡らすように塗りつけた。濡れそぼった紅い蕾がなんともいやらしい。  塗りつけたローションを蕾の中に押し込むようにして後孔に指を挿入していくと、先程までよりも格段にスムーズに指を抜き挿しできるようになった。 「…んッ…あッ……」 「ちょっとは、楽になった?」 「うん……あッ…」  先程とは打って変わって、葵の声が甘く響く。そのまま指を増やしていき、余裕で指が三本は入るようになるまで丁寧に解した。  大分解れてきたところで、おれは葵の好いところを探ることにした。指を丁寧に動かしながら、ネットの情報を頼りに腹側を擦ってみた。  するとある一点を掠めたとき、葵の声が一際甘くなった。すぐにそこが葵の()いところだと気が付き、優しくそこを擦ってあげた。
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