32人が本棚に入れています
本棚に追加
「初戦突破、おめでとう、お前ら!」
「ウス!」
監督に祝福され、俺たちは解散した。
結局打たれたのはあのホームラン一本だけ。後はゴロやフライで、ヒット性の当たりは許さなかった。
仲間も4番を筆頭に、打線援護してくれた。
去年の地区大会の初戦では22対0で負けた俺たちが。
勝利を掴んだ右手の拳をギュッと握った。
「千葉」
呼ばれて声の方を見ると、キャッチャー西木が大きな拳を俺に向けていた。それに自分拳をぶつける。
「次も三振の山築くぞ」
「たりめーだ」
向こうのほうで竹村が「ラーメン行くぞ!」と俺たちを呼んでいる。
「今日は3杯くらい行けそう!」
「やめとけよ、それで腹壊して秋の選抜出られなかったんだから!」
「あの時は4杯だったから! 今日は3杯でやめとくから!」
「ダメだって!」
勝利に気を良くした竹村を、菅野が必死に牽制していた。
最初のコメントを投稿しよう!