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「ウマーイ！」
「おかわりー！」
皆さん、美人ママさんにも美味カレーにも大喜びだ。由一郎も川添社長もそれもう口説いてんじゃねって勢いで寄って行って、表情が爛々と輝いている。そしてそれを軽く去なすママさんに手練れ振りを感じるわー。
うすい山荘はマスターもカッコいいんだよなー。すんごい素敵なおじさま。子煩悩っぽいし、夫婦仲も良くて理想的なお二人だ。うちのおっちゃんコンビ、残念だな。
碓氷村は山間の小さな集落だけど、人が物凄く温かい。のんびり穏やかで子どもだってたくさんいるし。若い世代が生き生きと暮らせる村って本当に素敵だと思う。
「ここもひと昔前は過疎化一直線だったんだよ？ あたしも出稼ぎに行ってたし」
「出稼ぎ！」
「これでもナースだからさ。白衣の天使っぽいでしょー？」
「注射がお上手そうですね……」
「任せろ☆」
今、碓氷村はハリスホテルリゾートとFlyHigh製造工場を軸にスノーパークの閑散期も人が散らず、人口も安定して増加傾向にあるらしい。夏場はエッジレコードの音楽フェスで盛り上がるし、春や秋もホテルを拠点にハイクやアクティビティを楽しむ国内外のお客が絶えなくなったそうだ。
「村興しが成功したんですね……！」
「何にもない村なのにねー」
「きっと愛情があるんですよ」
「それはもう売る程☆ホラおかわりは？」
「大盛りでー！」
日本でも外国でも『何もない』けれど多くの人が訪れる場所がある。人と経済が上手く循環し、田舎だろうが山の中だろうが絶海の孤島だろうが、こんなに豊かだって実感出来る場所が。
碓氷村はとても魅力的だ。
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