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「お兄さんに、付き合ってるって勝手に言って怒ってない?」
「何で怒るんだ……嬉しかった。びっくりしたけど」
「お兄さん、トモダチとかシェアメイトとか、無難に誤魔化したら殴り掛かって来そうな目だったしー」
「俺が先にダーリンだって言っちゃったからかなあ」
佑は振り返ると『へらっ』とじゃなく『ぺかっ』と笑った。今日一番の笑顔だった。それから顔じゅういっぱいキスされた。ちょっと酒臭いのが否めないけど佑なら全然オッケーだ。
「お湯貯まった……」
「んー♡」
大好きって言葉が耳の中にすし詰めになるほど囁かれて。いっぱい甘噛みされて舐め回されて。風呂でもベッドでもトロントロンのドロンドロンで、佑が欲しくて堪らない。まさしく目眩くひと時。
外は小雪。中庭の青いイルミネーションの明滅が部屋の中を照らし、どこまでもロマンチックでムード満点で─────
「おいコラ何で挿れない」
「明日は一緒に左官屋さんになるし」
「平気だっ!」
「いやいやいや」
「こっちがイヤイヤだっ!」
「そこは節度を保って」
「ふざけんなっ! 一週間に一回だぞっ!」
「いや〜〜〜」
こうなったら佑は何を言ってもダメ。無理矢理乗ろうとしてもダメ。勢いを逆手に取られて翻弄されてクタクタにされ、最終的に寝かし付けられる。
マジで狡いと思うしちょっと不満だ。藤間さんに、反町さんはその辺どうなのか機会があったら聞いてみよう。
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