ずっとおまえを想ってる。

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　小高い斜面の利用を想定した、ガラスのシェルターの上に建つアメリカンハウススタイルの邸宅。パースを見たドニさんは第一声で素敵だと言ってくれた。

「クラブハウスは氷の城で、こっちは雪の城なの〜？」
「素材は統一していますが、居住スペースはご家族がより親密に過ごせる事がコンセプトになっています。そのシンボルとして雪の結晶を表現しました」

　藤間さんはプロジェクターに繋げたCADで平面的な線図から俯瞰図、そして上空から直角に見下ろした六角形の全体図を映し出してくれる。

「ワ〜オ！ ホントだ、スノウ・クリスタル……！ 隠れミッキーみたい！ 子ども達が絶対に喜ぶ！」
「六角形は昔から縁起がいいと言われている形ですね。亀の甲羅のように堅固に身を守ってくれると。大切な家族が暮らす家ですから……親としての想いを汲み取って頂けたようで嬉しい限りです」
「葵の解釈も素敵！ Excellent！」

　ドニさんも東海林さんも、俺の提案をどーんと受け入れてくれた。それだけじゃなく「予想以上に素晴らしい」と褒めちぎってくれた。

　ほっとすると同時に、動き出した大仕事に改めて身震いする。こんなペーぺーにチャンスをくれるドニさんには感謝しかない。