2

1/1
前へ
/13ページ
次へ

2

俺がイヅミに夢中になるのは、最早、自然の摂理の様なもので…告白し、承諾を得ると、忽ちサークル公認の仲になっていた。 そうして、大学を卒業して一年が経った頃。 イヅミから、思いも寄らぬ真実を打ち明けられる。 「赤ちゃん、出来たみたい…」 複雑な表情でそう語るイヅミは、卒業を間近に控えて、混乱していた。確かに、いつも避妊していた訳ではない。こうなった責任は、俺にある。 早々と、大手企業の内定を貰っていたイヅミだったが、妊娠が発覚すれば、それも取り消されるだろう。 俺の全身から、血の気が引いてゆく。 ひと足早く社会に出たからと言って、俺はまだ新米のペーペーだ。所帯を持つなど、とても考えられない…
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加