57人が本棚に入れています
本棚に追加
2
俺がイヅミに夢中になるのは、最早、自然の摂理の様なもので…告白し、承諾を得ると、忽ちサークル公認の仲になっていた。
そうして、大学を卒業して一年が経った頃。
イヅミから、思いも寄らぬ真実を打ち明けられる。
「赤ちゃん、出来たみたい…」
複雑な表情でそう語るイヅミは、卒業を間近に控えて、混乱していた。確かに、いつも避妊していた訳ではない。こうなった責任は、俺にある。
早々と、大手企業の内定を貰っていたイヅミだったが、妊娠が発覚すれば、それも取り消されるだろう。
俺の全身から、血の気が引いてゆく。
ひと足早く社会に出たからと言って、俺はまだ新米のペーペーだ。所帯を持つなど、とても考えられない…
最初のコメントを投稿しよう!