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サークル仲間との宅飲みで、じゃんけんで負けたわたしと一学年上の辻村先輩はアパートから歩いて15分のコンビニへお酒とおつまみを追加で買い出しに行くことになった。
その日は熱帯夜で午前零時を回っても歩くとじんわり汗が出る。
プシュッ
「買い出しに行った人の特典」
そう言ってプルタブを引いた、買ったばかりの350mlの缶ビールを先輩がわたしに差し出した。
それを受け取って二人で冷えたビールを飲みながら歩く。
「ふふ」
「何?」
そういえば中学生の頃よく聞いていたクロノスタシスという曲で、コンビニで350mlの缶ビールを買って夜の散歩をするという歌詞があった。
あの頃ものすごく憧れたことを今自分がナチュラルにしているというのは何だかくすぐったく、歳を取ったなという気持ちもある。
とは言えわたしはまだ20歳で歳を取ったと感じるには早すぎるんだろうけれど。
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