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島原センターのフォーリーブス【前編】
島原センターは、全国展開の
大手フィットネスクラブの予約業務と
アメリカで展開しているドラッグストアの
注文業務と発注業務を請け負っている。
ちなみに武志と和彦が担当しているのは
大手フィットネスクラブの部署である。
そんなある日のこと。
島原センターで納涼大会をやることになった。
「納涼大会で出し物をやることになったが、
和彦、何かアイデアないか?」
「男性管理者が女装して踊るのは?」
「それは前にやったから却下」
「何か奇抜なパフォーマンスがあれば
インパクトが出せるんですがね」
そんな会話をしていた武志と和彦のそばを
通りかかった女性管理者の和子が言った。
「武志くんと和彦くんでやったら?
大村センターのフォーリーブス、
今でも伝説になっているわよ」
「フォーリーブスか。
あれは、佐世保にいる浩二と雅之がいたから
4人でやれたんだよな」
「大村センターが始まった時でしたね」
「オレたちも若かったな」
フォーリーブスは、1970年代にブレイクした
男性アイドルグループである。
2002年にフォーリーブスが再結成をしてからは
再ブレイクして今でも根強い人気である。
そのフォーリーブスの名曲であるブルドックを
大村センターで披露したのが武志と和彦であった。
「武志くん、フォーリーブスやってみませんか」
「おいおい、メンバーが足りないだろ」
「真司郎くんと大輔くんがいるじゃないですか。
二人は武志くんと寛子さんが仲人をしたんですから」
「あいつらが承諾するかな?」
「それは武志くん次第ですよ」
そんななかで真司郎が武志の机に近づいてきた。
「武志管理長、この案件確認お願いします」
「わかった、チェックしておく。
真司郎、今度の納涼大会の出し物だけどな…」
「フォーリーブスやるんですか?
オレ、最近フォーリーブスにハマってるんですよ。
うちの愛美がYouTubeで見てから
ハマりだしてCDボックス買ったんですよ。
それで曲を聴いてからオレもハマったんです」
「真司郎くんがハマるくらいですから
フォーリーブスの曲が浸透している証拠ですよ。
真司郎くん、大輔くんにも声かけてくれますか?」
「大輔もフォーリーブス信者なんで喜びますよ。
大輔にはオレから声かけときます」
「よろしく頼む。詳細は追って伝える」
そんなわけで、武志、和彦、真司郎、大輔の
新生フォーリーブスが誕生した。
この後、納涼大会当日まで練習をするのだが
その続きは次回の講釈で…。【中編に続く】
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