勘違い女の魔の手から救出せよ!【前編】

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勘違い女の魔の手から救出せよ!【前編】

この話は、武志と寛子が 島原センターで働いていた時である。 当時、武志は主任として 寛子は、オペレーターとして コールセンターで勤務をしていた。 武志は、女性社員から人気があった。 そんななかで、武志に片思いをしていた 女性オペレーターが暴走してしまう 事件が起こったのだ。 これからその話をしていこう。 「武志主任、飲みに行きませんか?」 「宮下さん、申し訳ないけど 仕事の話以外では行かないんだ」 「どうしてですか? 私は、武志主任と仲良くなりたいのに」 「そういうことは独身の人に言ってほしい。 明日も早いから失礼するよ」 宮下真弓、 彼女が武志に執拗な付きまといをしていた。 武志は、寛子に真弓からの付きまといで 困っていることを話していた。 「寛子、ごめんな。 愚痴聞いてもらって悪いな」 「何、言っているんですか。 最近のあなた、夜も眠れていなくて 疲れが出ているじゃないですか。 上司に報告したほうがいいですよ」 「ありがとう、寛子。 一度、センター長に相談するよ」 「そうしてくださいな。 傍から見ても宮下さんの行動は、 私たちオペレーターでも噂になっています。 もう、私たちが夫婦だと公にしましょう」 「ありがとう、寛子」 武志と寛子が学生結婚で夫婦になってから 15年の年月が経っていた。 「話は終わったのかい?」 「お義母さん、すみません。 子供たちをお願いしてしまって」 「いいんだよ、そんなことは。 まったく、武志もとんでもない女に 好かれてしまったもんだね」 「面目ない」 「決着がつくまでの間は 子供たちを避難させたほうがいいね。 義姉さんの家に匿ってもらうようにするよ」 「ありがとうございます、お義母さん」 「こういう勘違い女は、 何をするかわからないからね。 おまえたちが婚姻届を出す時に 不受理申出を出しておいて正解だったね」 「あぁ、親父が婚姻届を出す時に 勝手に戸籍を書き換えられないように 別の用紙を出したよな?」 「お父さんはわかっていたんだよ。 若い時分に夫婦になるんだから お守りとして不受理申出を出したんだよ」 それからも真弓の付きまといは続いた。 それも真弓が武志と結婚を前提に交際していて 婚姻届を出すことになっていると吹聴したのだ。  そのことから武志と寛子は真弓を警戒していた。 ある日、役場の職員から婚姻届を出そうとした 女性がいたので不受理にしたと連絡があった。 その翌日に武志は、寛子を交えて 真弓と話し合いを持つことにした。 「昨日、勝手に婚姻届を出されたと 役場から連絡があった。 どういうことが説明してほしい」 「だって、主任と結婚したかったんだもん」 「オレは既婚者で子供がいる! あと、ここにいる松島寛子さんはオレの妻だ!」 「寛子さんは、主任のお姉さんでしょ? 職場から車で迎えに来る人がご主人でしょ?」 「それ、オレの従兄。 寛子が仕事帰りに用事がある時は 従兄が迎えに来ているんだ」 武志が真弓と決着しようとした時に ある人物が会議室に入ってきた。 その人物によって真弓の悪事が暴かれるのだが この続きは次回の講釈で…。【後編に続く】
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