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小人たちは顔を膨らませてカッサを見つめている。
アストは右手を高く上げると、「こっちの赤毛の名はトウキ」、次に左手を上げると「こっちの金髪の名はケイヒ」と彼らの名前をカッサに伝えた。
「お礼なら、こいつらに言え。」
「あっ、はい!」
カッサは小人に向かって頭を下げた。
「あのいろいろ小さな体で大変だったと思うけど、看病してくれてありがとうね。」
誠心誠意心を込めて感謝を述べたカッサであったが、顔を上げると2人はまだ不貞腐れた顔をしている。
「ごめんね! 何か欲しいものでもあるのかな? できる範囲でお礼するよ!」
慌てて言葉を付け加えたが、トウキとケイヒの顔はまだご機嫌斜めだ。
すると赤毛のトウキが、カッサを指差した。
「ねっ! 君 何歳?」
「ぼく? 9歳だよ?」
その答えに「ぷっ!」と2人は笑い。金髪のケイヒが口を開いた。
「僕たち、30歳だからね! 君より年上だから! 小さいからって子供扱いするなよー!」
「するなよー!」
2人は「えっへん!」と言うと、鼻を人差し指で擦った。
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