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そして、口をパカパカさせ、ガタガタと小刻みに震えている。
そんなヨルムの驚いた様子を気にせず、アストは「キョッキの龍とか名乗ってたぞ?」と述べた。(フィンが訳して伝える。)
「ーーゴゴゴ、 ゴラゴロロゴゴ!」
(ーーやはり、目の下の羽の印この方は!)
「ダーリン、そんなに驚いてどうしたの?」
人魚は旦那の見たこともない動揺する様子に、流石に心配になった。
「ゴロロロゴーロ、ゴロロ、ゴゴゴロ……(以下省略)」
(“旭暉の龍”は、僕たち、ドラゴン族にとって最も敬うべきドラゴンなんだ!
竜の国がいくつかあるんだけど、長年国同士で争っていて、
その争いを止めたのが旭暉の龍。
各国の竜王を束ねる、王の中の王であるドラゴン、それが光の龍……旭暉の龍なんだ!)
フィンからの通訳を得て、アストはヨルムが驚いている理由を理解した。
(竜王を束ねる、王の中の王? このドラゴンが?)
そんな竜族にとって大切な王が何故、この地にやってきて自分を嫁にすると言い出したのかさらにアストの疑問を大きくさせる。
「ゴロララゴロ〜ゴローー?(以下省略)」
(それにしても、なぜこんなお労しいお姿に?)
もちろんヨルムの言葉をフィンが訳す。
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