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精霊たちもヨルムも人魚のフィンも、彼が何をするのかと様子を伺っている。
「流石にこのデカさは無理だな……」
と、言うとアストは龍の唇に、自分の唇を重ねた。
そうすると、もちろんドラゴンの身体はみるみるうちに縮み、エルフへと変身する訳で……
「「ーー!!?」」
その光景に皆目を丸くした。
アストはそれを確認すると「よし!」と言って持っている蔓をそのエルフ姿のドラゴンに巻き出した。
「ゴ、ゴゴゴ!?」
(な、何をしてるのですか!?)
ヨルムがすぐさま声を上げた。
「ん? 体調悪そうだから、島で看病してやろうと思うんだけどよ、デカいままじゃ看病しにくいし、運びにくいから、とりあえず縛って島に連れて行こうとしてるだけだ。」
アストは落ち着いた様子で、その大男にありったけの蔓をグルグルと巻き付けている。
しかしヨルムはフィンの通訳を聞きながら、「ゴッ!!?」と、声を上げ 身体から滝のように汗を流し始め……
「ゴ、ゴラゴゴラゴゴ、ゴゴゴロゴロー!!」
(じ、自分が運ぶから、蔓で縛るのはやめてくれー!!)
……と、必死の形相で、叫ぶのだった。
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