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ヨルムの働きにより、旭暉の竜は縛られずに無事に島へと届けられた。
何も身に纏ってない裸一貫の姿であるため、ヨルムの妻フィンが持ってきた衣(濡れない様に魔法の施された特殊な衣)により、とりあえず身なりは包まれた。
「ゴロロロ、ゴラゴラゴ〜(省略)」
(体がとても熱いからお熱でもあるのだろう。しっかり看病頼むよ!)
「へいへい……」
「ゴラロ!! ゴッゴゴロ、ゴロゴロロロ!!」
(アスト!! 決して失礼がないように頼むぞ!)
海岸までやってきたヨルムは、尾っぽの先をアストへ向けて注意喚起をした。
「わあったよ!! まったく、ゴロゴロゴロゴロ、うるせえ男だな! あ、フィン、最後のところは訳すなよ。」
フィンは笑いながら、ヨルムに前半のところだけ訳しだが、(どうせ悪口を言ったのだろう)と何となく分かったヨルムは、「シュュュー」と、鼻息を大いに放ち海へと潜ってゆく。
「アスト様〜、それではまたぁ〜」
フィンは精霊達から、頬に口付けを贈られると、手を振って海へと帰って行った。
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