131人が本棚に入れています
本棚に追加
カッサはマジマジと彼らを見つめた。
子供のようにつるりとした体に少し膨らんだ下腹部。背には小さな丸い花びらのような薄い羽が生えている。
なんだかその羽がキラキラして触ったら気持ちが良さそうな気がして、カッサは無意識に手を伸ばしていた。
その手にびっくりして、2人はきゅっと身体を縮めたその時、落ち着いた大人の声がカッサの耳に届いた。
「起きたみたいだな」
声を聞いた途端、2人の小人がカッサが触ろうとしていた羽を元気よく動かして声の主の元へと向かう。
「「アスト様〜!!」」
今まで地面に立つ小人(小指くらい)のを見ていたカッサは、グイッと首を動かして上を向いた。
(アスト様?)
小人たちは、その『アスト』と言う者の手のひらに収まった。
カッサはアストを見つめた。
アストもカッサを見つめた。
カッサの瞳にまず入ったのは大きな尖った耳であった。その耳にかかるようにある適当に伸びた肩より長い黒い髪、そして気怠そうに開く瞳。
体に身に付ける服は真っ白い布で、左肩から掛けて体に巻いてあり、右肩は露出していた。
最初のコメントを投稿しよう!